25歳海外駐在員の暗号通貨ルポ

25歳海外駐在員の暗号通貨ルポ

25歳の東南アジア某国に居住する駐在員。Bitcoinなどの暗号通貨をメインに、英語や駐在生活に関して情報発信中。

IS (Islamic State)とBitcoinとの関係

インドネシアマネーロンダリング対策ユニットがIS (Islamic State)がBitcoinを資金送金目的に使用していると発表しました。具体的には、最近ジャカルタで発生したテロの容疑者がBitcoinを使用して資金の送金、受領を行っていたと発表しています。

http://www.coindesk.com/indonesias-aml-agency-links-bitcoin-islamic-state-terrorism/

 

また、パリでのテロ事件の際にも、EUが仮想通貨を利用した送金に対する対策を行うと発表しており、ISが組織的にBitcoinを送金手段として利用している可能性が取りざたされています。

 

これまでの送金手段との比較

ISは中東地域、インドでの送金ではハワラというローカル送金ネットワークをこれまで使用してきました。ハワラというのは元々アラビア商人の間で生まれたもので、遠隔地間でもブローカー同士の信頼関係をもとにして迅速に送金するための手法です。

www.sinkan.jp

ちなみに英語記事ですが、下のWikipediaはかなり詳しい解説あり。

Hawala - Wikipedia

 

例えば、Aさんが離れた地域の家族Bに送金を行いたいとします。このときどうするかというと、まずAが住む地域のハワラブローカー(A')の元にAは赴きます。そして、家族Bに1万円を送金したい旨を告げます。A'はAから1万円を受取るとともにAから受取りのためのパスワードを聞き、B地域のブローカー(B')に電話やSMSでパスワードと受け渡し額(1万円)を告げます。

 

そのあとAさんはBさんに電話やSMSで、ブローカーB'の情報とパスワードを知らせます。BさんはブローカーB'のもとに赴きパスワードを告げることで、Aさんが送金した1万円を受領します。これで送金完了です。

 

この仕組みだとブローカーの台帳上は送金額とパスワード、そして送金者であるブローカーAの情報だけが残り、誰が送金して、誰が受け取ったかは記録上残りません。ちなみに、ブローカーA'とブローカーB'間ではどこかのタイミングで1万円を実際にやり取りしなくてはなりますが、これは一定期間ごとにお互いの残高を相殺する形で行われます。

 

このように見つかりたくない資金の送付にはもってこいのハワラネットワークですが、インドネシアやパリの場合は、ハワラネットワークが中東地域に比べると発展していないため、足のつきにくい送金手段としてBitcoinが使われるに至ったかと思われます。足がつきにくいとはいえ、テロで使用するような銃器などを購入するためにはどこかで現金化する必要があるうえ、Bitcoinの送金履歴は誰でも閲覧可能であることから、捜査自体はハワラネットワークを使用されるのに比べると簡単なのではないでしょうか。

 

ちなみにインドネシア当局は送金手段としてPaypalの名前もあげており、特にBitcoinへの規制を狙い撃ちしたものではなさそうです。