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25歳海外駐在員のマネー、資格奮闘記

25歳の東南アジア某国に生息する海外駐在員。Bitcoinをメインに、英語や駐在生活に関して情報発信中。

インドネシアのお金と汚職にまつわるお話

仮想通貨(暗号通貨) 海外駐在

しばらくインドネシアに暮らしていますが、財布がやけにパンパンになります。「財布 パンパン」で調べると、クレジットカードの大量保有や、ポイントカードの大量保有が一般的な原因としてあげられていますが、インドネシアやその他の新興国ではちょっと原因が異なるようです。

 

財布パンパンの原因その前に 汚職とお金

インドネシア汚職撲滅委員会 (KPK) は、ジャカルタ市内のショッピングセンターで、違憲審査で便宜を図る目的で現金を受領したとして、憲法裁判所の判事を逮捕しました。

www.thejakartapost.com

 

このとき、日本円で約2,000万円近くの現金を受け渡していましたが、このときインドネシアの通貨であるルピアではなく、米ドルとシンガポールドルが使用されました。なぜルピアを使わなかったのでしょうか?

 

新興国の貨幣

新興国では一般的に高額紙幣が発行されていません。インドネシアの場合も、紙幣の最高額は100,000ルピア、日本円で約1,000円となっています。米ドルやシンガポールドルで支払われたのも、米ドルの1ドルはインドネシアルピアで約10,000ルピアになってしまい、現金の形で受け渡すには量が多すぎるからでした。

 

インフレが進む新興国では、一般的に紙幣の最高額がインドネシアのように実態に追いついていません。また最近では、2016年11月にインドがこれまで存在していた高額紙幣を廃止して話題になりました。

インド現地レポート 「高額紙幣の廃止」のナゼがわかる、モディ首相の戦略 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)

 

目的のひとつとして、現金が汚職、人身売買などで使用されることを防ぐことを掲げており、現金を通したやりとりを極力削減し、金融機関を通した取引にシフトしていくことで、お金のやりとりを見える化していく狙いがあります。

 

インドネシアはインフレが進み、長年高額紙幣の発行が取りざたされてきましたが、今回発生した汚職事件のような現金の受け渡しがルピアで行われるのを防ぐためにも、しばらくの間は高額紙幣が発行されないことが予想されます。

 

ということで、新興国で財布がパンパンになるのは、高額紙幣が発行されていないためです。しかもATMによっては、最高紙幣の100,000ルピアではなく、50,000ルピアが登場することもあるし。。。

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新興国の金融課題

とはいえ、インフレが進み貨幣価値が希薄化する中で、何枚もの紙幣を日常生活で持つのは大変です。

 

そこでインドネシアでは、ジャカルタを中心にデビットカードや携帯電話会社の決済システムを使用した決済が急速に浸透しつつあります。例えば、大手のコンビニエンスストアであるIndomaretやalfamartなどでは、デビットカード決済を多くの店舗で受け入れていますし、ジャカルタであれば街中の多くのレストランではデビットカードによる決済が可能です。

 

 

しかし、そのインドネシアでも銀行口座を持っている人は約6,000万人にすぎません(2015年3月時点)。つまり、インドネシアの総人口の約75%の人は銀行口座を持っていないということになります。高額紙幣を廃止したインドは少し状況が異なり、口座開設率は99.7%まで達しているものの、口座預金残高が0円の割合が約75%となっており、アクティブに使っている割合はインドネシアとあまり変わらない率になっています。

 

この層にいかにリーチするかは、銀行やノンバンク各社にとって収益向上の大きなカギとなります。また、Bitcoinにとっても、実体経済での使用率向上のために、重要なターゲット層になります。

インド、銀行口座普及率が急増 貧困層向け政策奏功、99.7%に (1/2ページ) - SankeiBiz(サンケイビズ)

en.tempo.co

 

Bitcoin使用率の拡充にはスピードが必要

これらの層は中間層以下の、いわゆる低所得者層であることが多く、金融機関がローンを提供するなどの収益源とみなすには、与信管理能力がまだまだ不足しており、口座開設に向けたインセンティブが不足している状態です。一方、海外に出稼ぎに出ている割合は高く、家族への送金のために廉価な送金システムへの需要は高まっています。

 

Bitcoinの拡大のためには、新興国経済が成長し、これらの低所得者層の所得が改善し、銀行側の口座開設意欲が高まる前に、Bitcoinの世界に取り込んでいくことが重要になります。

 

ひとつの手段として、新興国の取引所各社が全国展開している大手コンビニなどと提携することで、情報を広め、利用率を向上していくことが考えられます。実際、インドネシア最大手取引所のBitcoin.co.idは前述したIndomaretと提携して、Bitcoinの販売サービスを展開しています。

インドネシアのビットコイン取引所が大手コンビニと提携 | ビットコインニュースの BitBiteCoin

 

まとめ

少々強引なタイトルでしたが、新興国ではまだまだBitcoin拡充の余地があるものの、スピードを持って低所得者層を取り込んでいかないと、規模に勝る金融機関に勝てないよという警鐘です。

 

実際デビットカードは相当便利なので、コンビニなどの日常生活で使える程度のメリットではあまりBitcoinが伸びていく余地はないため、Bitcoin浸透のスピードを上げてシェアをあげ、決済手段のデファクトスタンダードにしていく動きが重要だと考えています。

 

ただ、中央の人間がいないBitcoin界では、音頭をとって進めていくのが難しく、歯がゆいところです。