25歳海外駐在員の暗号通貨ルポ

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25歳の東南アジア某国に居住する駐在員。Bitcoinなどの暗号通貨をメインに、英語や駐在生活に関して情報発信中。

USCPA Chapter7とChapter11のまとめ(破産)

久々にUSCPAの勉強。前回Mt Goxの破産に関する記事を書いたので、USにおける破産手続きをまとめました。USCPAではREGの一分野として出題されます。
cryptocoin.hatenablog.com


破産で重要なのは、Chapter7とChapter11の2章です。Chapter7はLiquidationに関する章であり、通常の破産を指しています。一方、Chapter11はReorganizationという章であり、日本でいう会社更生にあたります。

Chapter7

資産と負債の動き

Chapter7の場合重要なのは、Trustee、つまり管財人が必須になることです。破産手続きが開始されると、資産と負債をリストアップした上で、資産は破産者から管財人に移り、負債は以下の項目を除いて帳消しになります。


Limitations of Discharge (消えない負債)
1) Alimony and child support
2) Debts incurred through fraudulent actions
3) Unscheduled debts (破産者が知らなかった負債) → 債権者保護手続きがとれないため
4) Willful and malicious injury
5) Education loans
6) Taxes


管財人に移る資産や、帳消しになる負債は破産手続き開始前のものに限られます。逆に言うと、破産手続き開始後に背負った借金は帳消しにはなりません。また、Divorce、Inheritance、Insuranceから生じた収益は、破産手続き開始後180日以内であれば破産財団に移ります。


管財人は破産財団の目録をまとめ、以下の優先順位で債権者に対して支払いを行っていきます。


1) Secured creditors
2) Alimony and child support (養育費)
3) Administrative Claims (裁判費用)
4) Middlemen (Gap期間の負債に対する支払い)
5) Wages
6) Employee benefits
7) Deposits (頭金)
8) Tax
9) Under the influence
10) Unsecured creditors


破産手続きが開始になった場合は、Chapter7に基づいて回収を行うため、債務名義に基づく優先回収はできなくなります。また、債権者が自己回収を図るのがダメなだけでなく、他の債権者を害さないためにも破産手続き申請前90日の間に支払った債権は管財人によって取り消され、破産財団に資産が戻されます。この特定の債権者にのみ支払う行為を、Preferencial Transferといいますがいくつか重要な要件があります。

  • 5000ドル以上の負債
  • Antecedent Debts (過去の負債)
  • Transfer of property (資産を移動していること)
  • Ninety days prior to filling bankruptcy (90日以内に支払っていること)
  • Insolvency (Preferencial Transferしたタイミングで、他のDebtの支払いができていなかったこと)


また、詐欺行為を働くことを防ぐため、破産の申請前1年以内の取引は調査されます。

破産手続き開始の条件

破産手続きには、Voluntaryなものと、Involuntaryなものの2種類があります。


Voluntary Bankruptcy
これは自己破産のことを指しています。特徴的なのは、債務超過に陥っていなくても、基本的には誰でも負債さえあれば破産手続きを開始できる点です。また、夫婦の場合は、Joint Proceedingが可能になっています。


「基本的には」と言ったのは、2005年の法改正で以下の要件が増えたためです。

  • Net Monthly Income * 60 > $11,725:Chapter7は使えないけど、Chapter13 (返済額のAdjustment)は可能。
  • Net Monthly Income * 60 < $7,025:Chapter7適用可能。


また、自己破産の場合は、カウンセリングを必須で受けなければなりません。


Involuntary Bankruptcy
債権者が債務者を破産に追い込むことを、Involuntary Bankruptcyと呼びます。この場合、どんな債務者でも破産に追い込めるとすると、借金をする人がいなくなってしまうので、以下のような条件があります。

  • 債権者が12人以上いる場合:3人以上の申立てが必要で、かつ申立人の合計の債権額が15000ドル以上である必要あり。
  • 債権者が12人未満の場合:1人で15000ドル以上の債権額をもっていればOK。


なお、債務者が抗弁してきた場合は、負債を期限までに債務者が支払っていないことのみ債権者側で立証すれば、強制破産が認められます。


Chapter11

Chapter7との違いは、会社を永続的に解散させるChapter7と異なり、会社を存続させることが目的になっている点です。また、Chapter7と異なりTrustee (管財人)は不要です(作ってもいいです)。


そのかわりに、Unsecured Creditors (担保権などの優先回収権を持たない債権者)でCommitteを作ります。


会社を存続させることが目的なので、更生計画を作成する必要があります。更生計画を作成後、金額ベースで2/3を超える債権者の承認(Approval)を経て、更生計画は裁判所に提出されます。